2005 No.105
2005 No.106
2005 No.107
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2005 No.112


堀江進学学院(大阪府)
〈教室周辺〉大阪市内を走る主要道路の一つである新なにわ筋近く、地下鉄千日前線「西長堀」駅から徒歩約1分、スーパーや図書館がある、人通りの多い地域に位置。教室の半径500m以内に大手・個人合わせて10件以上の塾が点在する競合地域でもある。

立地条件に恵まれた分 競合塾が次々と誕生
 平成15年3月に開校し、まもなく3年目を迎える堀江進学学院は、地下鉄千日前線「西長堀」駅から徒歩約1分、人でにぎわう商業地域に位置している。
 もともとこのエリアは、大阪でも屈指の商業エリアである心斎橋や、オフィス街の本町などから近いこともあり、オフィスビルや商業施設が多く位置していたそう。しかし、近年はオフィスビルなどが減っていき、逆にファミリータイプのマンションが増え、年々住宅街としての色が濃くなっている。そこで、人口もどんどん増えており、塾の需要の高さも見込めることから、久保塾頭は開校を決意した。 「持ちビルを持っていたこともあって、以前から関塾本部の方からお話をいただいてたんですが、ビルに空きがなかったんです。ところが、ちょうどうまい具合に、需要が見込めるこのエリアで空きができた。しかも、私の会社の事務所がある上の階(3階)。ここなら、運営もしやすいかなと思ったんで開校することにしたんです。また、タイミングよく娘が通える塾を探していたんで、それなら開校してしまおうかなと」
 しかし、塾の需要が見込める地域であるということは、当然、他の塾も増えてくる。 「当教室が開校してからも、新しい塾が2〜3件開校してます。近くの小学校では、1年生が1クラス増えたと聞きましたから、これからも塾は増えるでしょうね。私が把握しているだけでも、当教室の半径500m以内に10件以上はありますよ」

チラシやイベントで継続した募集を実施
堀江進学学院の開校時の生徒募集では、チラシを20000枚、6回配布した。宅訪も最初はやってみたが、共働きの家庭が多く、不在宅ばかりだったため断念。また、塾頭の知り合いに声をかけたり、塾頭の奥様がやっているママさんバレーのルートで声をかけたりもしたのだそう。結果、開校時には16名が入塾した。そして、2年近く過ぎた現在、生徒数は約50名まで増えている。
「開校時に中2生が多かったんです。その子たちは、成績が上から下まで幅広く、しかもそれぞれに交友関係が広かったため、どんどん生徒たちが集まってきたんですよ。結果的に、人数的にも成績的にもその学年だけは今年度に入ると同時に、3クラスに分けなければいけないぐらいになりました」
 現在、その生徒たちも中3生となり今では約30人。全生徒数の6割を占めている。堀江進学学院の地元中学の3年生は総勢120人強。その中学から、4人強に一人がこの堀江校に通っていることになる。
「この中3生たちが卒業した後、その分の生徒たちをどうやって集めるかが現在の課題ですね。募集エリアの範囲を広げたり、内部生の成績をもっとアップさせて口コミを呼んだりなど、今対策を練っている最中なんですよ」
 現在は生徒募集の一つとして、共同チラシも利用しているそう。共同チラシとは、堀江進学学院が立地するエリアを範囲とする新聞の販売センターが行っているサービスで、サービス業のお店を中心に格安で共同チラシを作るというもの。その共同チラシを、イベント時には利用しているのだとか。
「新聞の購読料で広告が出せるので活用しています。テスト対策授業や特別講座などタイムリーなイベントを告知するんですが、それを見て入塾してくれた生徒もいるんですよ」 また、夏休み前には私立高校の教師を招いた教育講演会を実施。大々的なPRは行わなかったものの、内部生の保護者が外部生の保護者を連れてきてくれるなどし、結果的には大盛況だったとか。後日、その報告をチラシに載せたところ、今年の夏期講習会には予想外に中3生の外部生が多く参加してきたそうだ。

面倒見のいい塾として地域に広まりつつある
 現在、堀江進学学院は”面倒見のいい塾“としての評判が、地域に徐々に広がってきている。その評判を聞いて、入塾してきた生徒も少なくないとか。
「自分の中で、何か特別なことをしているとは思っていません。ただ、”塾生を大切にする“ことを心掛け、きちんと面倒を見ているだけなんですよ」
 中学生には、通常授業の他に週に1回90分間の自習時間を設けており、必ず出席させるようにしている。 「教科の指定は特にしていません。とにかく『課題を自分で持ち込んで勉強しなさい』と指導しています。宿題でも課題でも何でもいい。とにかく、勉強をする習慣をつけさせることが目的なんです」
 時に、一部の生徒には、通常授業で行った小テストを再テストさせたり、共通テストをやりなおしさせたりすることもあるのだそう。  また、勉強面以外でのフォローも欠かさない。例えば、生徒が通っている中学校の合唱コンクールには毎年必ず訪れるようにしている。 「周りがお母さん方ばかりで、その中にでっかい男がいるから、どうしても目立っちゃうんですよ。だから、生徒にはすぐに見つかってしまう(笑)。一人では恥ずかしいので、都合のつく先生に一緒に来てもらうようにしています」
 昨年、今年と、夏休みには生徒たちを日帰りで南港まで連れて行き、葦舟作りを体験させてあげたそう。 「珍しい体験ですから、生徒たちも喜んでくれました。これからも、いろいろな、勉強以外のイベントも開催できたらなと思っています」

毎月の教師会を定例化させて実施
 堀江進学学院では、月1回のペースで教師会を実施している。
「教師会は定例化させています。ただ、授業終了後にやりますので、時間的には一時間ほどしかできませんが、実施することが大切ですからね。今だったら、話の中心は冬期講習会の取り組み方です」
 また、堀江進学学院では、久保塾頭と教師たちとの信頼関係がきちんとできあがっているという。
「教師には、『授業をすることだけが教師の仕事ではない』ということを伝えています。私自身、この業界のことはまだまだ知らないことが多いですから、逆に教師たちから教えてもらうこともたくさんありますよ。特に、ずっとこの業界にたずさわってこられた教務主任の永田先生には、いろいろと力になってもらってます」
 久保塾頭が生徒たちと接する際に気をつけていることは、 「生徒の目線で話すことですね。上から見ない。しょっちゅう、変なことを言って笑われているんですが(笑)、一応、けじめは大切なので、叱る時はきちんと叱るようにしています」

堀江校の関塾と呼ばれる塾に
 久保塾頭に今後の目標を伺った。
「まず、大きな目標として『関塾といえば堀江校』といわれるようになることです。大阪の他の教室とは、もちろん共存共栄しながらも、どの教室にも負けたくないですね。小さな目標でいうと、常に生徒数を50名は確保しておくことですね。運営面でも、教室内の活気の面でもやはり50名はいないと厳しいですから」
 定期的な生徒募集と、徐々に広まっている評判で、さらにステップアップしていくであろう堀江進学学院の今後に期待したい。

クローズアップ 
保護者会は説明会形式で実施
 堀江進学学院では、保護者会を個別だけでなく学年ごとに一同に集め、説明会のような形式で、話をするという。
「これはもともと永田先生のアイディアだったんですが、こちら側から保護者の方にお願いしたいことに関して、説明会的な形で少し上から話をした方が伝わるだろうと考えたんです。個人的に話ができる懇談会はもちろん実施しますが、講習会の説明であるとかは、この説明会形式で実施しています。今年は、夏前に夏期講習会の説明会と私立高校の教師を招いた教育講演会を合わせて実施し、外部の保護者も来てくれて大盛況でしたね」
本部評 
堀江進学学院の良いところは何と言っても生徒の面倒見の良さでしょう。しかもそれが教師一人ひとりに行き渡っていることが、塾全体としての強みになっています。反面これは難しいことで、生徒の甘えやわがままにつながりかねません。しかし、久保塾頭はそこのところのバランスをしっかり心得ているようです。その証拠に生徒たちが塾にきたときはみんな笑顔です。今後はより進学実績を上げてもっと口コミによる生徒増を図ると共に塾全体としてのレベルアップを心がけもっと、堀江教室をアピールして頂きたいと思います。(水野氏談)
PROFILE 
久保嘉章塾頭
昭和37年生まれ。和歌山市出身。千葉大学卒業。ロープの卸を本業に、塾頭と2足の草鞋で多忙な日々を送っている。奥様と小6生の娘さんの3人家族。現在娘さんは、関塾に通塾中。趣味はキャンプやスキーなどアウトドア。
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