|
■ニュースフラッシュ |
■OECD41カ国学力調査 数学的応用力が1位から6位に 読解力も14位へ後退 |
|
■「自己」は9割強、「外部」は6割強が実施 |
■「幼小一貫」の検討など提案 |
 |
OECD41カ国学力調査 数学的応用力が1位から6位に 読解力も14位へ後退 |
|
 |
文部科学省が、経済協力開発機構(OECD)が昨年実施した世界41カ国・地域の15歳の生徒の「学力到達度調査」(PISA)の結果を公表した。日本は前回2000年の調査でトップだった数学的応用力が6位に後退。読解力も8位から14位に下がるなど相対的な学力低下傾向がみられ、文部科学省は「世界トップレベルとはいえない状況になった」と初の認識を示し、危機感を募らせている。
同調査は、義務教育終了段階の生徒が知識や技能を実生活にどの程度応用できるかを探るのが狙いで、今回が2回目。各国・地域の276000人を対象に4分野の試験を実施、日本では昨年7月、無作為抽出で選んだ143校の高校一年生4700人が試験を受けた。
各国・地域の平均点を500点として計算した結果、日本は科学的応用力が548点で前回と同じ2位。今回初めて実施した問題解決能力は547点で4位と、いずれもトップクラスに食い込んだ。
読解力は平均を下回る498点(前回522点)にとどまり、大きく後退した。一位はフィンランドで543点。同省は、背景に読書量の低下などがあるとみて、来年夏までに読解力アップに向けた緊急プログラムを策定する構えだ。
同時に実施した学校外で勉強する時間の調査では、日本は週6・5時間で、各国・地域平均の週8・9時間より2時間以上も少ないことがわかった。また、数学への興味に関する調査では、「授業が楽しみ」との回答が26・0%(平均31・5%)、「学ぶ内容に興味がある」も32・5%(同53・1%)にとどまり、日本の子供たちの数学離れを浮き彫りにした。
また、続いて発表された小・中学生を対象とした「国際数学・理科教育動向調査」(TIMSS 2003)でも中2理科が前回の4位から6位に。平均点も中2数学と小4の算数・理科でダウンしており、中山成彬文部科学大臣は、ゆとり教育を反省し全面的な見直しを進める考えを示している。
|
|
 |
「自己」は9割強、「外部」は6割強が実施 |
|
 |
文部科学省が、「学校評価および情報提供の実施状況」の調査結果をまとめ、公表した。それによると、2003年度に自己評価を実施した公立学校の割合は、前年度比6・2ポイント増の94・6%。保護者や地域住民などによる外部評価を実施したのは同19・8ポイント増の64・1%になったことなどがわかった。
調査は、すべての国公私立学校(幼稚園、小・中・高校、中等教育学校、特殊教育諸学校)を対象に、2003年度一年間の状況を尋ねた。前年度は公立学校のみだったか、今回からは国私立学校も加えた。回収率は100%。
まず、公立の状況を見ると、自己評価の実施率は、幼稚園が76・7%(前年度比14・9ポイント増)、中学校が98・4%(同3・6ポイント増)、高校が86・7%(同17・1ポイント増)、中等教育学校が75・0%(同25・0ポイント減)、特殊教育諸学校が90・3%(同13・6ポイント増)で、全体では94・6%(同6・2ポイント増)となった。
外部評価の実施率は各30・3%(前年比14・4ポイント増)、71・6%(同21・0ポイント増)、69・1%(同20・7ポイント増)、55・9%(同18・1ポイント増)、75・0%(同25・0ポイント減)、59・9%(同20・3ポイント増)で、全体では64・1%(同19・8ポイント増)。
評価を実施した学校に対して、結果を公表したかどうかを尋ねたところ、自己評価の公表率は、公立が39・0%(幼稚園19・2%、小学校37・2%、中学校41・9%、高校62・8%、中等教育学校50・0%、特殊教育諸学校51・0%)、国立が48・0%(各35・6%、45・8%、54・9%、78・6%、50・0%、43・2%)、私立が24・1%(各23・4%、31・5%、28・3%、25・0%、33・3%、50・0%)。外部評価の公表率は、公立が83・0%(各75・0%、86・1%、83・2%、66・4%、75・0%、78・6%)、国立が63・8%(各77・1%、58・0%、66・0%、72・7%、100%、48・1%)、私立が43・1%(各45・3%、53・5%、40・1%、35・0%、50・0%、25・0%)だった。
|
 |
「幼小一貫」の検討など提案 |
|
 |
中央教育審議会は、中山成彬文部科学相に「子供を取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について」(中間報告)を提出した。それによると、小学校との連携強化のため、幼小一貫教育を検討したり、幼稚園、保育所など(幼稚園等施設)と小学校との間で教員の人事交流を推進したりするほか、幼児教育を支援する拠点を整備することなどを求めている。
最近の幼児の状況については、基本的な生活習慣の欠如、コミュニケーション能力や自制心、規範意識の不足、運動能力の低下、小学校生活への不適応、学びに対する意欲・感心の低下などが見られると指摘。その背景には、少子化、核家族化、都市化、情報化など社会の急激な変化による、家庭や地域社会の教育力の低下があるとしている。これらを踏まえ、中間報告は今後の方向性として、「家庭、地域社会、幼稚園等施設の3者による総合的な幼児教育の推進」「幼児の生活の連続性および発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育の充実」を2本柱として挙げた。
具体的な方策は、@幼稚園等施設の教育機能の強化・拡大A家庭、地域社会の教育力の再生・向上B幼児教育を支える基盤等の強化。
@では、小学校との連携や接続を強化・改善するため、教育の人事交流の幼小一貫教育の検討、幼稚園教員の一種免許状取得の促進などを盛り込んだ。 (内外教育)
|
|
|
|